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たん【丹】(1)硫黄と水銀との化合した赤土。 また, その色。 辰砂。(2)鉛に硫黄と硝石を加えて焼いて作ったもの。 鉛の酸化物。 黄色をおびた赤色で絵の具や薬用とする。 鉛丹(エンタン)。(3)薬のこと。 特に不老不死の薬。
「~を煉り, 真を修し/読本・弓張月(続)」
(4)(1)(2)のような黄赤色。IIたん【単】(1)「単試合」の略。(2)「単勝式」の略。IIIたん【反・段】(1)地積の単位。 古代・中世では三六〇歩, 太閤検地以降は三〇〇歩(坪)。 約9.9174アール。(2)(「端」とも書く)布帛(フハク)の大きさの単位。 長さ・幅は材質・時代によって異なる。 養老令では長さ五丈二尺, 幅二尺四寸。 現在は, 一着分の幅と丈のものを一反とする。 絹の着尺地では鯨尺で幅九寸, 長さ三丈から三丈二尺が一般的。(3)距離の単位。 六間(ケン)。(4)和船の帆の大きさを示す単位。 製帆用の布の幅をいう。IVたん【嘆・歎】(1)感心すること。 感動のあまり, うめき声やため息を出すこと。「~を発する」
(2)なげくこと。 なげき。V「亡羊の~」「髀肉(ヒニク)の~」
たん【担】(1)奈良・平安時代の荷物を数える語。 一人でかつげる程度の荷を一担とする。(2)奈良・平安時代の量の単位。 一人でかつぐべき量をいう。(3)ピクルに同じ。VIたん【澹】風や波によってゆったりと動くさま。VII「桜花~として無からむとす/自然と人生(蘆花)」
たん【炭】姓氏の一。VIIIたん【痰】(1)気管から出る粘液性の分泌物。(2)漢方で, 正常でない病的な体液。~を切・る(1)のどの痰をとる。(2)すっきりするような威勢のいい言葉を言う。 啖呵(タンカ)を切る。IXたん【短】(1)欠点。 短所。⇔ 長「~を補う」(2)花札の「赤短」「青短」の略。~を捨(ス)て長(チヨウ)を取る〔漢書(芸文志)「舎短取長」〕欠点・短所を捨てて, 美点・長所を選び取る。Xたん【端】(1)物事のはじまり。 きっかけ。 いとぐち。(2)「反(タン){(2)}」に同じ。~を発(ハツ)・する物事がはじまる。 起こる。「一発の銃声に~・した事変」
~を開・く新しく物事を始めるきっかけをつくる。XIたん【胆】(1)きも。(2)きもったま。 度胸。「~が落ち着き/幇間(潤一郎)」
~が据(ス)わ・る物事に恐れたり驚きあわてたりしなくなる。 きもがすわる。~斗(ト)の如(ゴト)し〔蜀書(姜維伝注)〕きもの大きいこと。 また, 胆力の大きいことのたとえ。 大胆。~は大ならんことを欲(ホツ)し心(シン)は小ならんことを欲す⇒ 胆大心小~を奪・う驚かして意気をそぐ。 肝をつぶさせる。~を練・る物事に恐れ驚かないように修養する。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.